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軍用機の塗装

軍用機の塗装, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1180850 / CC BY SA 3.0 #軍用機 #塗装 シャークマウスを描いたフライング・タイガースのP-40 軍用機の塗装(ぐんようきのとそう)は、軍用機に行われる塗装のこと。 主に機体外部の塗装について記述する。 塗装の基本的な目的は、部材(外皮)表面の保護による耐食性・耐候性や美観の維持である。 航空機の場合はこれらに加えて燃費低減・ペイロード増大の要請からできるだけ軽量であることが求められる。 軍用機の場合はさらに、敵からの発見を防いだり遅らせることが要求されるため、色や塗装パターンに特に注意が払われている。 20世紀末からはステルス性のうち特にレーダーによる探知の回避を目指した工夫もなされてきている。 こうして、被探知率の低下が目指される一方で、敵味方を識別して同士討ちを防ぐ必要から、かつては目立つ色や模様のマーキングが必ずなされていた。 しかしながら現代では IFF(Identification Friend or Foe, 敵味方識別装置)の発達によって、派手な色彩の国籍マーク・ラウンデルや部隊章、士気高揚のため黙認されていた非正規の塗装などは実戦部隊で存在しなくなっている。 色 民間航空機、とくに商用の旅客機や貨物機の場合は、集客や運航コストの抑制が重視されるために、派手なカラーリングが採用されたり、逆にアメリカン航空のようなポリッシュド・スキン(透明な保護膜のみ)といったものが存在する。 軍用機においても、第二次世界大戦ごろまでは派手な色彩の塗装がなされることがあった。 しかしながら、とくに大戦終結後頃からは、その任務の性格上、被視認性の低さ(low visibility, 低視認性。ロービジとも)を重視した暗色や無彩色の塗装が多く見られるようになっている。 塗装パターン 塗装パターンについては、地上駐機時や地面・海面付近の低空飛行時の視認性低下を意図した、緑や茶色(地面用)・青や水色(海用)のカムフラージュがあるほか、逆に高高度での飛行中に視認されにくい薄いグレーなどが、その機体の用途に応じて使い分けられている。 マーク、装飾 塗装の上から装飾や敵味方識別を目的とした絵やマークが描かれることがあり、これらは主に機首に描かれるため『ノーズアート』と呼ばれている。 ノーズアートの代表例として、第二次世界大戦時のアメリカ軍では、爆撃機などの大型機の機首部に女性の絵が、戦闘機や攻撃機には『シャークマウス』と呼ばれるサメの頭を模した絵が描かれていた。 アメリカ軍は第二次世界大戦ごろから戦闘機に敵味方識別装置を搭載していたが、火器とは連動しておらず混戦時の利用は難しかった。 また地上部隊ではこの識別信号を受信できず、P-51などが友軍の対空砲火に曝される事件が多く発生した。 対策として『インベイジョンストライプ』と呼ばれる帯を主翼に描いていた。 第一次世界大戦頃に自らの存在を誇示するため、大きなパーソナルマークを機体に描く者もいた。 軍の規律が重視されるようになるとパーソナルマークは禁止されるようになったが、多くの空軍の戦闘機パイロットは自身の技量を誇るため、自らが撃墜した敵機や目標の数だけ国籍マークの並べる『キルマーク』を機首に描いていた。 電波吸収性塗料 レーダーが発達し、互いに目視する前に交戦を行なう BVR(Beyond Visual Range, 視程外距離)での戦闘が多くなるとともに、レーダーによる探知を避けることが強く求められるようになってきた。 照射されたレーダー波の反射の度合いを示す指標を RCS(Radar Corss Section, レーダー反射断面積)と呼ぶが、RCS の低減のために第一には形状と構造に工夫がなされる。 F-117やB-2といった航空機のみならず、ヴィスビュー級コルベットやシー・シャドウなどの艦船も、照射元へとレーダー波を返さないための特異な形状をしている。 こうした形状における工夫が電波を「いかに反射させるか」を考えているのに対し、「いかに吸収するか」を考慮したのが RAM(Radar Absorbing/Absorbent Material, レーダー吸収材料)と呼ばれる塗料や材料であり、入射した電磁波の一部を熱に変えてしまう働きをもつ。 フェライト系などの塗料が実用化されているが、21世紀初頭現在では広範な普及を見せるまでには至っていない。 第二次世界大戦においては、各国で様々な塗装がなされていた。 日本 第二次世界大戦前から中盤には明灰白色と呼ばれる明るいグレー系主流だったが、南方に戦線が拡大すると明灰白色の上から格子やブチ...

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軍用機の塗装, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1180850 / CC BY SA 3.0 #軍用機 #塗装 シャークマウスを描いたフライング・タイガースのP-40 軍用機の塗装(ぐんようきのとそう)は、軍用機に行われる塗装のこと。 主に機体外部の塗装について記述する。 塗装の基本的な目的は、部材(外皮)表面の保護による耐食性・耐候性や美観の維持である。 航空機の場合はこれらに加えて燃費低減・ペイロード増大の要請からできるだけ軽量であることが求められる。 軍用機の場合はさらに、敵からの発見を防いだり遅らせることが要求されるため、色や塗装パターンに特に注意が払われている。 20世紀末からはステルス性のうち特にレーダーによる探知の回避を目指した工夫もなされてきている。 こうして、被探知率の低下が目指される一方で、敵味方を識別して同士討ちを防ぐ必要から、かつては目立つ色や模様のマーキングが必ずなされていた。 しかしながら現代では IFF(Identification Friend or Foe, 敵味方識別装置)の発達によって、派手な色彩の国籍マーク・ラウンデルや部隊章、士気高揚のため黙認されていた非正規の塗装などは実戦部隊で存在しなくなっている。 色 民間航空機、とくに商用の旅客機や貨物機の場合は、集客や運航コストの抑制が重視されるために、派手なカラーリングが採用されたり、逆にアメリカン航空のようなポリッシュド・スキン(透明な保護膜のみ)といったものが存在する。 軍用機においても、第二次世界大戦ごろまでは派手な色彩の塗装がなされることがあった。 しかしながら、とくに大戦終結後頃からは、その任務の性格上、被視認性の低さ(low visibility, 低視認性。ロービジとも)を重視した暗色や無彩色の塗装が多く見られるようになっている。 塗装パターン 塗装パターンについては、地上駐機時や地面・海面付近の低空飛行時の視認性低下を意図した、緑や茶色(地面用)・青や水色(海用)のカムフラージュがあるほか、逆に高高度での飛行中に視認されにくい薄いグレーなどが、その機体の用途に応じて使い分けられている。 マーク、装飾 塗装の上から装飾や敵味方識別を目的とした絵やマークが描かれることがあり、これらは主に機首に描かれるため『ノーズアート』と呼ばれている。 ノーズアートの代表例として、第二次世界大戦時のアメリカ軍では、爆撃機などの大型機の機首部に女性の絵が、戦闘機や攻撃機には『シャークマウス』と呼ばれるサメの頭を模した絵が描かれていた。 アメリカ軍は第二次世界大戦ごろから戦闘機に敵味方識別装置を搭載していたが、火器とは連動しておらず混戦時の利用は難しかった。 また地上部隊ではこの識別信号を受信できず、P-51などが友軍の対空砲火に曝される事件が多く発生した。 対策として『インベイジョンストライプ』と呼ばれる帯を主翼に描いていた。 第一次世界大戦頃に自らの存在を誇示するため、大きなパーソナルマークを機体に描く者もいた。 軍の規律が重視されるようになるとパーソナルマークは禁止されるようになったが、多くの空軍の戦闘機パイロットは自身の技量を誇るため、自らが撃墜した敵機や目標の数だけ国籍マークの並べる『キルマーク』を機首に描いていた。 電波吸収性塗料 レーダーが発達し、互いに目視する前に交戦を行なう BVR(Beyond Visual Range, 視程外距離)での戦闘が多くなるとともに、レーダーによる探知を避けることが強く求められるようになってきた。 照射されたレーダー波の反射の度合いを示す指標を RCS(Radar Corss Section, レーダー反射断面積)と呼ぶが、RCS の低減のために第一には形状と構造に工夫がなされる。 F-117やB-2といった航空機のみならず、ヴィスビュー級コルベットやシー・シャドウなどの艦船も、照射元へとレーダー波を返さないための特異な形状をしている。 こうした形状における工夫が電波を「いかに反射させるか」を考えているのに対し、「いかに吸収するか」を考慮したのが RAM(Radar Absorbing/Absorbent Material, レーダー吸収材料)と呼ばれる塗料や材料であり、入射した電磁波の一部を熱に変えてしまう働きをもつ。 フェライト系などの塗料が実用化されているが、21世紀初頭現在では広範な普及を見せるまでには至っていない。 第二次世界大戦においては、各国で様々な塗装がなされていた。 日本 第二次世界大戦前から中盤には明灰白色と呼ばれる明るいグレー系主流だったが、南方に戦線が拡大すると明灰白色の上から格子やブチ...

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